國仲商店タイムズ

2025年7月_創刊号 テキスト版

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國仲タイムズ
創刊号

ふーみーから皆さんへ
創刊のごあいさつ

皆さん、こんにちは! 伊良部島・國仲商店の"ふーみー"こと里森 文哉です。
このたび、『國仲タイムズ』を創刊することにしました。
このニュースレターを通じて、私たち國仲商店と伊良部島の豊かな時間を皆さんと分かち合えることを、心から嬉しく思います。

都会の賑わいから離れ、ここでは時間がゆっくりと流れる。
人々は温かく、自然は息を呑むほど美しい。

コーヒーのある
豊かな暮らしを、
伊良部島から

なぜ、九州出身者が伊良部島でコーヒーを育てているのか?

九州出身の私がそんな伊良部島でコーヒー栽培を本気で始めたのは、「島に恩返しをしたい」という強い決意があったからです。

私は福岡出身で、京都の大学を経て東京で社会人を経験しました。そのとき、学生時代からの知人だった企業の社長から声がかかり、宮古島でのコーヒー栽培プロジェクトに参加することになりました。

そこで島の魅力に圧倒される反面、宮古島はリゾート開発が進む一方で、地元の人にはその恩恵が行き届かず、物価だけが上昇するという状況を目の当たりにしたのです。そこで社長と私たちは、島の人達のために何か役立つことをしたいと考え、主要産業であるサトウキビ栽培に代わる新しい地域産業としてコーヒー栽培に着手しました。その後、社長とは離れ、國仲商店として独立してプロジェクトを進めてきました。
腰を据えて伊良部島に根差し、お店を拡大していくなかで、お客様や地域の人たちとの触れ合いを通じて、この場所こそが自分たちの「ベース」であると確信しています。特に、店舗を構えたときは輸入食品を扱うショップにカフェが併設されたスタイルでしたが、ショップを辞めて現在のカフェに絞ったスタイルに転換してからお客様が増えてきました。

「こんなに居心地の良い場所を作ってくれてありがとう」という(地元の人々の)声を聞くこともあり、この地で暮らし、事業を営める喜びを日々全身で感じています。

コーヒー豆2050年問題と、伊良部島からの挑戦

気候危機時代に、離島からコーヒーの未来を描く

突然ですが、皆さんは「コーヒー豆2050年問題」をご存知でしょうか?これは、地球温暖化による気候変動が、海外の主要なコーヒー生産地で深刻な影響を及ぼし、コーヒーの収穫量が大幅に激減するという問題です。このままでは、今当たり前に飲めている地域のコーヒーが、将来的には飲めなくなるかもしれない、という危機が迫っています。

そんな中、私たちは伊良部島が、実はコーヒー栽培に適した「コーヒーベルト」に入っており、年間を通して温暖な気温と降水量に恵まれていることに着目しました。沖縄でのコーヒー栽培はこれまで盛んではありませんでしたが、世界的な供給不安のなかで、伊良部島の新たな基幹産業として大きな希望となるかもしれないと考えたのです。

しかし、この挑戦は決して平坦な道のりではありませんでした。日本でのコーヒー栽培には前例が少なく、特に伊良部島での無農薬栽培は、周囲から「育つわけがない」と、初めのうちは懐疑的な目で見られていました。宮古島には年中虫がいるので、農薬を使うのが一般的ですが、私たちは無農薬にこだわっています。実際、葉が虫に食われたり、雨が全く降らずに自力で水を運んだり、虫を一匹ずつピンセットで取り除いたりと、困難の連続でした。

台風が多い伊良部島で、風に弱いコーヒーの木を守るため、防風林を一から植えたことも記憶に残っています。あれから数年が経ち、膝下ほどだった防風林が現在では7mにまで成長しました。

本当に無農薬栽培のコーヒーが伊良部島で実現できるのだろうかと、心が折れそうになったこともありましたが、諦めずに信じ続けた結果、ある年にようやくコーヒーの白い花が咲き、実がなる様子を目の当たりにしたんです。あのときの感動は生涯忘れられません。

伊良部島からコーヒーの未来を描く私たちの挑戦は、まだ始まったばかりです。

島から広がる、國仲商店の味と志 ― 卸事業がつなぐ"共感のバトン"

この度、國仲商店は「沖縄県を代表する企業100選」に選出されるという光栄な機会をいただきました。これはひとえに、創業当初から「地域の人々が喜ぶお店を作ろう」という私たちの揺るぎない信念が評価された結果であり、お客様や支えてくださる地域の方と一緒にいただいた栄誉だと感じています。物価高のなかでも、國仲商店のコーヒーやドリンク、手作りのパンなどを、島の人々が手に届きやすい価格で提供し続けることにこだわってきました。また、地元農家さんが作ったカボチャやパッションフルーツなどの農作物を積極的に使用し、カフェメニューとして提供するなど、地域に根ざした取り組みを続けています。これらの姿勢が、地元の方々からの推薦につながったのだと思います。

國仲商店は、単なるお店ではありません。敷地内では、地元の三線教室の発表会を開催するなど、地域の人々が集い、楽しく過ごせる場所づくりを意識しています。現在、17名のスタッフと共に運営していますが、人材の採用において重視するのは、能力や学歴よりも「目の前の人に尽くせる」人柄。スタッフには積極的にチャレンジできる環境を提供し、例えばキッチン担当者でもときにはイベントを企画するなど、一人ひとりが自らのアイデアを形にできる機会を大切にしています。

伊良部島の未来を見据え、私たちがいま特に重視しているのは、地元の若者たちが「ここで働きたい」と思える環境を創造することです。島の若者は、より高い給与を求めて島外の企業へ出ていく傾向があります。國仲商店が成長することで、彼らが島で輝き、安心して生活を送れるような環境を整えることが、私たちのこの先にある大きな目標です。

また、コーヒー栽培と並行して、私たちの「志」をさらに広げるための新たな取り組みとして、卸事業を本格的に開始しました。2023年に自社で焙煎機を導入し、コーヒー専門店としての認知が広がるなかで、周辺のホテルなどから「うちでもコーヒーを出してほしい」という声が寄せられるようになりました。これは、國仲商店のコーヒー事業における取り組みそのものが、島内外のパートナーに共感いただいている証だと感じています。将来的には、国内だけでなく、世界にも日本のコーヒーとして伊良部島の味を届けていきたいですね!

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地域とともに歩む、卸事業と企業の進化

夏を楽しむコーヒーと、看板犬ラテの物語

ジャパンブレンドと看板犬ラテの笑顔で迎える伊良部時間

伊良部島の夏は、青い海と空がどこまでも広がり、特別な「伊良部時間」が流れます。國仲商店がこの夏、皆さんにおすすめしたいのは、限定の新ブレンド「ジャパンブレンド」です。現在、私たちが伊良部島で栽培・収穫したコーヒー豆を乾燥・焙煎し、少量ながらもこの夏中に皆さんに提供できるよう準備を進めています。伊良部島の風土が育んだ特別な一杯を、ぜひこの夏お試しください。

そして、國仲商店にはもう一つの“顔”として、愛され続ける看板犬「ラテ」がいます。ラテの愛らしいキャラクターは、毎週のようにお店に通ってくださっていたお客様のご夫婦が島を離れることになってしまった際にプレゼントしてくれたイラストが元になりました。その後、イラストが國仲商店の公式ロゴとして、今ではTシャツなどのさまざまなグッズも展開しています。國仲商店を身近に感じられる可愛いラテグッズ、ぜひ来店される際はお手にとってみてくださいね。

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また、國仲商店の建物の壁に描かれた、カラフルで大きなロゴの絵は、地元の小学校・中学校の子どもたちと一緒に「ペンキ塗り体験」として描いたもの。彼ら・彼女らに、この島で過ごした記憶や、島への愛情をこの先も忘れずに生きていってほしいという願いを込めました。

ラテ

今回は『國仲タイムズ』創刊号を最後までお読みいただきありがとうございました!

この紙面を通じて、私たちがこの地で育むコーヒーの物語と、島に流れる「やさしい熱」を感じていただければ幸いです。さあ、伊良部島で、心安らぐ一杯と“島時間”を体験してみませんか。それではまた、次号で。

〜 旅の思い出をご自宅でも 〜
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國仲商店
〒906-0505 沖縄県宮古島市伊良部字国仲531-1
TEL.0980-79-0181
https://kuninaka-shoten.com/